薬学部の考え

薬学部の6年間、どんな学生生活を送るの?現役薬学生が学年ごとに解説します

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薬学部を目指している方の中には、「6年間ってどんなふうに過ごすの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。6年という長い学びの期間は、医学部に次いで長く感じるかもしれません。しかし、その6年間には、薬剤師になるために必要な知識と経験がぎゅっと詰まっています。

私自身、薬学部に入ってから毎年「全然違う」と感じるくらい、やることも求められることも変化しました。

この記事では、薬学部で過ごす6年間の学生生活を、1年生から6年生まで学年ごとに紹介します。
これから薬学部を目指す人、今まさに薬学部で頑張っている人にとって、少しでもイメージの助けになれば嬉しいです。

1年生|大学生活の始まり。自由と戸惑いの一年

薬学部の1年生は、大学という新しい環境に慣れることから始まります。

英語や数学、化学といった一般教養の授業に加え、薬学の基礎となる科目も少しずつ登場します。高校と大きく違うのは、自分でスケジュールを管理しなければならないこと。レポートの提出、テストの準備、授業の出欠管理。思っている以上にやることが多く、最初は戸惑う人も少なくありません。

それでも、友人ができたり、サークル活動やアルバイトを始めたりと、大学生らしい自由な生活を楽しめるのもこの時期の魅力です。薬学の勉強が本格化する前の“助走期間”とも言えるでしょう。

1年生のポイント

  • 一般教養科目+薬学入門の授業が中心
  • 高校とのギャップに戸惑いやすい
  • サークルやアルバイトで人間関係を広げやすい
  • 自主性・時間管理の習得がカギ

2年生|薬学らしさが見えてくる、本格的な座学のスタート

2年生になると、一気に専門的な内容が増えてきます。

有機化学、物理化学、生物薬剤学など、薬学ならではの科目が多くなり、教科書も分厚くなります。実験も本格的に始まり、毎週のようにレポート提出に追われる学生も多いです。

勉強量は確実に増えますが、この時期にしっかりと基礎を固めておくことが、後の学年での理解に大きく関わってきます。授業についていくのが精一杯と感じる人もいますが、自分なりの学習スタイルを見つけていく大事な時期でもあります。

2年生のポイント

  • 専門科目(化学・薬剤学)が本格化
  • 実験レポートの提出が頻繁にある
  • 暗記量が一気に増える
  • 学びの基礎を築く重要な時期

3年生|国家試験を意識し始める、学びの中間点

3年生になると、いよいよ国家試験を見据えた科目が本格的に登場します。

薬理学や病態・薬物治療学、薬事法規など、難易度もボリュームも上がり、これまでの勉強とは違う“重さ”を感じるようになります。

また、この学年からは「CBT(Computer-Based Testing)」という大きな試験に向けて、模試や過去問演習が始まる人も多くなります。初めて国家試験という現実に触れ、「あと3年しかない」と焦りを感じる人もいるかもしれません。とはいえ、周囲と協力しながら乗り越えることで、少しずつ自信もついてきます。

3年生のポイント

  • 国家試験に直結する科目がスタート
  • CBT対策での模試・演習が本格化
  • 難易度が一気に上がる
  • 学習量の増加でペース配分が重要

4年生|CBTとOSCE、そして病院実習へ

4年生の前半は、CBTとOSCEという2つの重要な試験の準備に追われます。

CBTは座学の集大成で、OSCEは実技試験。どちらも合格しなければ、後期の実務実習に進むことができません。

後半から始まる病院実習では、実際の医療現場に出て、薬剤師の仕事を間近で学ぶことになります。最初は緊張の連続ですが、自分の学びが少しずつ実際の現場で役立っているのを感じられる貴重な体験です。この時期を通して、「自分も医療の一員なんだ」と実感する人が多いのも特徴です。

4年生のポイント

  • CBT(学力試験)とOSCE(実技試験)の合格が必須
  • 前期は試験対策に集中
  • 後期から病院実習がスタート
  • 現場を経験することで視野が広がる

5年生|薬局実習と就活、忙しさのピーク

5年生では、病院実習と並ぶもう一つの柱、薬局実習が行われます。

調剤業務、服薬指導、在宅医療など、薬局での業務を実践的に学ぶことができます。現場で患者さんと接する中で、これまでの座学とは違った難しさや責任を感じることもあります。

また、この時期から就職活動が本格化します。病院、薬局、製薬会社、公務員、大学院進学など、進路は人によってさまざま。エントリーシートや面接準備に加えて、研究室の活動や卒業研究も始まるため、1年の中でも最も忙しい時期と言えるかもしれません。

5年生のポイント

  • 薬局実習で現場経験を深める
  • 就活が本格スタート(インターン・面接など)
  • 進路を明確にするタイミング
  • 卒業研究との両立がカギ

6年生|国家試験に全力を注ぐ、最後の1年

6年生は、薬学部の集大成となる国家試験に向けた勉強が中心になります。

夏ごろから本格的に試験対策を始め、毎日過去問や模試を繰り返す日々が続きます。精神的にも体力的にも大変ですが、仲間と励まし合いながら乗り越えていくこの時期は、特別な絆が生まれる時期でもあります。

国家試験に合格すれば、ついに薬剤師としての第一歩を踏み出すことができます。6年間の努力が報われる瞬間です。

6年生のポイント

  • 国家試験対策が日常の中心に
  • 模試や演習で実力をチェック
  • プレッシャーとの付き合い方が大切
  • 合格後はいよいよ薬剤師へ

最後に

薬学部の6年間は、決して平坦な道ではありません。勉強、実習、就活と、毎年違う壁が立ちはだかります。それでも、一歩一歩乗り越えるたびに、自分自身が成長していく実感を持てるのが薬学部の魅力です。

これから薬学部を目指す人も、今苦しんでいる薬学生も、焦らず着実に前に進んでいってください。この6年間が、きっと将来のあなたの力になります。

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